ちょっと気を抜くと食べ歩きだけの記録となってしまうこのブログ。屋外の読書が気持ちよい季節。ということで久々ブックレビュー。
2002年イギリス推理作家協会最優秀新人賞の候補にもなった「ブレイン・ドラッグ」。アイルランド生まれの作家アラン・グリン処女作。
冴えないフリーライターのエディは義兄から錠剤をプレゼントされる。この錠剤は脳が持つ全ての能力を使い切れるという凄い代物。半年かかって書けなかった作品を一晩が完成させたり、外国語を一日でマスターしたりと知能・記憶力を素晴らしく向上させる。この能力を使ってデイトレーダとして大成功したり、大企業のM&Aで莫大な報酬を得たりとこれまでの冴えない生活から脱出し、ブランドスーツに高層マンションと大成功していく。しかし、悪夢のような薬の副作用が。華々しい成功とそこからの転落。そしてその先にある結末は・・・。
スピード感十分の文体と緊張感溢れるストーリー。一人称で書かれているために成功も悪夢も主人公と一緒に駆け抜けるように読んでいけます。翻訳物独特の違和感もなし。読み始めたら止まらないので、時間があるときにページを開くことをお薦めいたします。
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